カウンセリングとは
こころの専門家が相談者さんの話を否定せずに受け止め、具体的にアドバイスし、問題解決を目指すアプローチのことです。お話が苦手な方も、帰る頃にはいろいろと話せたことにホッとし、また話してみようと思えます。問題解決に向けてカウンセリングを進めましょう。
回復に必要なカウンセリング回数
カウンセリングを何回くらい受けると良くなるのでしょう。
Kaderaら(1996)の研究で、回復した人の約80%は12回以内で良くなると示されています。
以下は12回受けて終わると考えた時の、治療期間とカウンセリング費用です。
治療期間
1週間に1回 → 3か月
2週間に1回 → 6か月
カウンセリング費用
・子ども 30000円
・おとな 57500円
カウンセリングの効果に影響する要因
Lambertら(2001)はカウンセリングの治療効果の影響に、以下の要因を挙げています。
✅治療の外で起きる変化 40%
✅共通要因(カウンセラーの態度や共感、温かさ、柔軟性など) 30%
✅カウンセリングによる変化の期待(プラシーボ効果) 15%
✅カウンセリングの技法 15%
相談者さんはほとんどカウンセリングルーム外で過ごしているので、「治療の外で起きる変化」は大きいのです。
架空のケースを考えてみます。
Aさんは残業が多く、給料の低い会社で働いていて、気持ちが落ち込みがちでカウンセリングを受けていました。
しかし、転職したら残業がなく、給料も2倍になり元気になりました。
これはカウンセリングではなく、転職が本人の症状を改善したわけです。
本人を取り巻く環境の変化が、大きな治療要因になることはよくあります。
それでも治療内での要因が60%も占めているのだから、カウンセリングは役立ちます。
共通要因に関して言えば、カウンセラーの在り方で治療効果は変わるのです。
当センターでは毎回相談者さんからカウンセリングの評価を受け、より良い結果が得られるよう取り組んでいます。
※評価用紙はORS (Outcome Rating Scale )、SRS(Session Rating Scale )です。
カウンセリングを受けても効果が得られないのであれば、他のカウンセラーも検討してください。
相談者さんは自分に合ったカウンセラーを選んでよいのです。
参考文献
Kadera, S. W., Lambert, M. J., & Andrews, A. A. 1996 How much therapy is really enough? A session-by-session analysis of the psychotherapy dose-effect relationship. Journal of Psychotherapy Practice & Research, 5(2), 132–151.
Lambert, M. J., & Barley, D. E. 2001 Research summary on the therapeutic relationship and psychotherapy outcome. Psychotherapy: Theory, Research, Practice, Training, 38(4), 357–361.