2023年2月1日 作成

パニック症(パニック障害)

電車に乗っていたら突然、息苦しくなり、心臓のどきどきが早まり、「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖に襲われた。

あまりに苦しいので病院に行ってみてもらったけど、特に問題はないと言われた。

その後、電車に乗ろうとすると「またあの苦しさがやってくるのではないか」と思い、電車に乗ることをやめた。

 このような症状をパニック発作と呼びます。

学校、家庭での日常生活に影響が出るほど、パニック発作が強い、または長く続く場合、パニック症と呼ばれます。

 

 

パニック症の症状

パニック症の症状には以下のようなものがあります。

 

心臓がドキドキする

震え

めまい

汗が出る

胸の痛み

息が苦しい

吐き気

感覚のマヒ

「おかしくなってしまうのではないか」という恐怖

「死んでしまうのではないか」という恐怖

喉が詰まるような感じ

自分自身を上から見ている感じ(離人感)、実感がない(現実感消失)

 

パニック発作は通常、数分以内でピークに達し、その後落ち着いていきます。

しかし、その強烈な恐怖のため、発作が起きた場所や起こりそうな場所を

避けるようになるのです。

 

パニック症の治療法

パニック症に効果的な方法としては認知行動療法があげられます。

カウンセリング回数は12-16回程度で終了します。

 

治療内容は

 

・過呼吸のコントロール法

・リラクセーション訓練

・エクスポージャー(恐怖に対する段階的な暴露)

・認知再構成(カタい考え方をやわらかくする)

・パニックの感覚を意図的に作り出す

などからなります。

 

相談者さんが認知行動療法を一人で行おうとすると、

強い恐怖に襲われたり、頑張りすぎてしまうことがあるため

ぜひ当センターのカウンセリングを頼っていただき

改善に向けてサポートできればと思います。

 

SKILLSカウンセリングセンター

飯島博之(臨床心理士・公認心理師)

 

参考文献

・APA 2022 Panic Disorder: Answers to your most important questions.2022-6-28.

 https://www.apa.org/topics/anxiety/panic-disorder

Clinical Research Unit for Anxiety Disorders St. Vincent’s Hospital Sydney 2010 Anxiety and Panic  Disorder Patient Treatment Manual 

 https://crufad.org/wp-content/uploads/2017/01/crufad_Panicmanual.compressed.pdf

・高橋三郎・大野裕監訳 2014 DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 医学書院