不登校

 

 不登校の数は平成24年度より右肩上がりとなっており、令和2年は小中学校の不登校児童生徒数は約20万人近くにも上ります。また、高校でも不登校生徒数は5万人が不登校であることが明らかにされています。不登校について文部科学省は「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由によるものを除いたもの」と定義しています。少しずつ、不登校への理解も進んできていますが、十分ではないと言えます。不登校支援に関して文部科学省は学校に登校するだけをでなく、子どもが自分で自分の進路を考えて自立することを目指すのが必要だと述べています。

 不登校になると、昼夜逆転、自分の興味のあることばかりする、勉強をしないなどが生じ、保護者からすると怠けているというふうに捉えられがちです。しかし、実際にはストレスで学校の準備をするのがとてもおっくうになったり、行こうとすると頭痛や腹痛、発熱などの身体反応が出たりするのです。原因がわかっているのであれば、すぐに問題解決に向けて進めることが大切です。

 また、子どもが休み始めた時に「なんで?どうして?」と急かして質問をするのはやめましょう。ゆっくり時間をとって、落ち着いて話し合える雰囲気にしましょう。それでも話してくれない場合には「話せるときになったら教えてね」と伝えましょう。子ども自身が話してくれることが大切です。

 

学校以外の支援機関

✅適応指導教室:不登校児童生徒が集団生活に適応し、生活習慣や学力の支援を受けることにより学校復帰を支援する公 

      的機関です。無料で利用できます。

 

✅フリースクール:民間で運営しており、不登校の子どもにさまざまな教育機会を提供している施設のことです。そのた

      め、場所によっては学校のような勉強に限らず、ゲームやイベントなどをすることもあります。

 

 

 

お子様が不登校で悩まれている場合は、学校内の支援はもちろん、外部機関にも頼れる場所があることを覚えておいていただければと思います。

 

参考文献

文部科学省 2019年 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」

文部科学省 2021年 令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要

 

 

 

群馬県伊勢崎市のSKILLSカウンセリングセンター

飯島博之(臨床心理士・公認心理師)