「Assessment and treatment of pediatric anxiety disorders and OCD」のウェビナーの感想
久しぶりに素晴らしいウェビナーを視聴しました(しかも無料!)。
強迫性障害への治療がメインで、やはり暴露療法と認知再構成の話がでてきました。
これに関しては、強迫性障害に対する高いエビデンスを示しており、また私自身も使うので新しいことはないかなと思っていたのです。
しかしこの暴露療法、とても興味深い不安階層表を作成していました。
ついつい、セラピストは0-100点のリストを作りたくなるのだが、この階層表は「低」「中」「高」となっているのです(それぞれに2つほど、リストが入っていました)。
これならクライアントが感覚的に分類しやすいですね。
また、アセスメントでは家族の文化なども重要視し、子ども、親へのサポートもしっかり行います。
当たり前のことですが、ケースフォーミュレーションでいうところの個別性を大事にするのです。
しかし、エビデンスに基づく実践(EBP)ばかりに目が行くと、実践に基づくエビデンス(PBE)がおろそかになりがちです。
技法ももちろん大切ですが、クライアントとの関係性を築けないと介入もうまく進みません。
Dryden(2022)が著書『Single-Session Integrated CBT: Distinctive features 』の中で、ドロップアウトについて一回だけしか来なくてもクライアントはよくなっていることがあると述べていましたが、ポジティブな要因ばかりでないのも事実です。
そのため、ドロップアウト率はセラピストの力量を表わすと考えてよいかもしれません。
参考文献
・Windy Dryden 2022 Single-Session Integrated CBT: Distinctive features Routledge
・APA 2023 SPONSORED TOPICAL WEBINAR Assessment and treatment of pediatric anxiety disorders and OCD 2023-6. https://www.apa.org/members/content/mclean-hospital/pediatric-anxiety-disorders